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「映画ちいかわ」3日で22億円超えの大ヒット、"特殊すぎるマスコットキャラ"がもてはやされる理由

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ちいかわ
日本で大ブームの『ちいかわ』。映画も公開されてからかなりの勢いを見せている(画像:筆者撮影)
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『ちいかわ』の要素のひとつ目は、エッセイマンガである。この作品では「ホール・イン」という静岡のお菓子が急に出てきたり、ハチワレが「いなりあげもち」を見せるだけの回が存在する。あまりにも唐突で意味不明にも思えるが、これはエッセイマンガの手法だと考えれば理解できる。

もともとナガノ氏はエッセイマンガ・イラストを手掛けており、特に食べ物に対するこだわりを持つ。おいしい、珍しい食べ物との出会いを『ちいかわ』内で描いていると解釈すれば、唐突さも飲み込めるだろう。

そして、『ちいかわ』には少年マンガのエッセンスもある。ちいかわたちはかわいいキャラクターなのだが、一方でモンスターを倒す“討伐”の仕事もしている。そして、強くなるための特訓をすることもある。「なんとかなれーッ!」という必殺のかけ声まであるほどだ。

ナガノ氏はさまざまなマンガを幅広く読んでいるようで、それらのファンアートを描くことも多い。過去には『週刊少年ジャンプ』の『僕のヒーローアカデミア』や、『週刊ビッグコミックスピリッツ』の『闇金ウシジマくん』ともコラボをしており、多様なマンガ知識を作品作りに活かしている。

フジテレビでTVアニメも放送中。こちらも原作に忠実に作られている(画像:アニメ公式サイトより)

そして、『ちいかわ』は童話のような不気味さをあわせ持つのも大きな特徴だ。

シンデレラが継母や姉たちにいじめられて家を掃除しているように、ちいかわも汗をかきつつ草むしりをしたり、夜勤として「採取」の仕事をすることもある。

いまでこそ『シンデレラ』は穏当な話になっているが、そうでもなかった時代もあるようだ。グリム童話においては、姉が靴に足をあわせるためにつま先やかかとを切り落とすといったグロテスクな描写があったそうで、そういった恐怖もまた童話の一側面である。

バケモノへの変異や危害を加えてくる生き物の登場など不穏な空気もあわせ持つ

『ちいかわ』においてはグロテスクな描写はないものの、しかしかわいい生き物が急にバケモノに変異してしまったり、あるいはいきなり危害を加えてくる「擬態型」なる生き物が出てきたりと、不穏な空気もあわせ持っている。

『ちいかわ』の世界は「ナガノワールド」と表現されるが、これは的を射た表現だ。まさしくこの場所は、ナガノ氏が興味を持つさまざまなものを詰め込んだ独特の世界である。言い換えれば、SNS上で発表するエッセイマンガの変形と見ることができる。

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