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アップル本社「Apple Park」は巨大な環境装置だった、土も風も駐車場も設計で変えた脱炭素の発想

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Apple Park
iPhoneが発表される舞台で度々目にする、本社内にある虹色のアーチ(写真:筆者撮影)
  • 草刈 和人 テックメディア「ゴリミー」運営
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屋根については、建物と駐車場のほぼ全面が太陽光パネルで覆われ、発電能力は合計16メガワットに達する。大容量の蓄電池も備え、停電時には本社だけで電力をまかなえる。ちなみにグーグルのBay Viewは屋根の太陽光で年間電力の約40%を賄う設計で、規模も方式も各社各様である。太陽光発電そのものは今や珍しくないが、風の流れから電力の自給までを一体で設計している点に、この建物の性格が表れている。

建物と駐車場のほぼ全面が太陽光パネルで覆われている(写真:筆者撮影)

お金があるからできたのか、思想があるからか

ここまで読んで、こう思った人もいるだろう。「アップルほどの資金力があれば、そのくらいできて当然ではないか」と。

もっともな指摘だ。実際、これだけの環境設計には莫大なコストがかかっている。資金力が前提条件であることは間違いない。同じシリコンバレーで巨額を投じたキャンパスを建てられる企業は、グーグルを含めごく限られる。

だが現地を歩いて感じたのは、それだけでは説明がつかないということだった。

象徴的なのが、あの土の話である。掘った土を外に運び出すのは、コスト的には決して高くつく選択ではない。むしろ敷地内で丘に造成し、そこに樹木を植えるほうが、設計も施工もはるかに面倒だ。お金があるからやったのではなく、面倒でもやると最初に決めたからやった。そう考えるほうが自然である。

水の使い方にも同じ姿勢が見える。この本社は隣接するサニーベール市と提携し、アップルが費用を負担して、市が処理した再生水を運ぶ配管を敷地まで引いている。おかげで同規模のビルと比べ、新たに使う水の量を約50%削減している。自前で水道を引くより、明らかに手間のかかる選択だ。

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