竹原DMOはこのほか、謎解きやマルシェなどのイベントも企画し、実行している。鍵は情報発信だという。
「今はAIに旅行プランを聞く人が増えています。そのAIが参考にするのはWeb上の情報ですから、竹原観光に関する情報発信が重要です。そう考えて、SNSでの発信や竹原観光のモデルコース提案などに注力しています」
多様な客層に対応する取り組みも
右肩上がりで増え続けるインバウンドにも対応できるよう、多言語表記はもちろん、ヴィーガンやベジタリアンが食事できる場所づくりにも取り組む。飲食店と一緒にメニュー開発をした結果、ヴィーガンメニューがある飲食店は市内15軒になった。
そのほか、ガイドの育成や近隣地域のDMOとの連携など、さまざまな手段で、大久野島と竹原、そして瀬戸内全体が豊かになる方法を探っている。
「私たちがしてきたのは、地域の旗振り役となること、地域の皆さんとともにプレイヤーとして一緒に汗をかくことです。竹原を、子どもたちが帰ってきたいと思う町にしたいんですよ」と、川田さんは言う。
2026年7月の竹原市によるプレスリリースによると、2023年から2025年にかけ、大久野島だけでなく竹原市への観光客は増加が続いた。円安とゴルフツーリズム需要を背景とした、外国人観光客の増加も顕著だ。観光消費額は3年連続で過去最高を記録している。
20万人の観光客を呼ぶうさぎと、毒ガスの歴史、そして地元の経済。「地図から消された島」でそのすべてが共存できる未来はあるのか。挑戦の答えが、今、少しずつ見え始めているのかもしれない。

