そんな報道過多や似た内容の多さはテレビだけの話ではなく、新聞、ネット、個人のジャーナリストらの発信も含めた社会の課題と言っていいかもしれません。さらに、似た内容が多いだけでなく、中には真偽不明のものもあるなど、それを受け取る私たちが見る目を養っていく必要性を感じさせられます。
取材した被災地に「ボランティアとして再訪する」メディア関係者も
最後に筆者が聞いてきた災害報道に携わる人々の本音を挙げていきましょう。
災害報道に携わる多くの人が、災害だからこその「使命感」と、相反する「数字をとりたい」という2つの思いを抱えています。実際、ある報道・情報番組を手がけるスタッフから「少しでも役に立ちたい。被災者に寄り添った報道がしたい」が、「そのうえでやっぱり数字は必要」という本音を聞きました。
ただ、被災者の役に立ち、寄り添うことより、数字をとるという前提から制作が進められることも事実でしょう。「結局、数字で判断される」「他局に後れを取るわけにはいかない」という思いが使命感を上回るという状況はなかなか変わらないようです。
それでも葛藤を抱えている関係者は多く、筆者は善意を感じさせるエピソードをいくつか聞いていました。
「ボランティア受け入れ開始後に、有休を取って再び被災地に向かった」「被災者と個人的に交流を持って、それを続けている」「観光協会と連絡を取って、特産品販売や観光客誘致を手伝っている」などのプライベートで善意を見せるメディア関係者は、報じられないだけでたくさんいます。
災害報道に対する世間の印象は悪くなる一方であり、何らかの対応を考えていくことが必要でしょう。

