さらに「メインキャスターは現地入りしなければいけない」「ウチの番組だけ行かないのはよくない」という風潮があるのも気になる点の1つ。ちなみに筆者が話を聞いた某局のアナウンサーは「自分は被害状況や被災者の気持ちが落ち着いてからでなければ行かないようにしている」と言い切っていました。
次に「被災地で邪魔」「迷惑をかける」という批判について。
以前、取材者の被災地での飲食物買い占めなどが報じられたこともあって、災害報道に向けられる視線は厳しくなっています。もちろん大半の取材者がルールを守り、被災者に配慮していますが、それでも人数の多さからか、時折こういう問題が浮上してしまうことも事実でしょう。
メインキャスター以外のアナウンサーや記者なども被災地入りし、いくつかの中継場所からリポートするシーンが見られますが、それを各メディアが行っていることを踏まえると、「本当に必要なのか」と疑問視されても仕方がないのかもしれません。
「パフォーマンスだ」という批判にも一理
また、複数の取材者から同じ質問をされて困惑する被災者が少なくないことからも、テレビに限らずメディア過多を感じさせられます。
実際、被害の大きい地域から中継して救助の邪魔になりそうだったり、地震が続く中で取材者たちが負傷するリスクがあったり、インタビューを歓迎する被災者ばかりではなく「来ないでほしい」という人もいたりしているのも現状。
優先されるべきは、災害派遣医療チーム・DMATや災害派遣精神医療チーム・DPAT、他県の自治体職員、消防、警察などの支援だけに、取材者たちがどんなに注意を払っても、これらの懸念を完全に払拭することは難しそうです。
例えば、キャスターや記者らが、カウンセラーのような精神面でのサポートを兼ねた取材ができれば、もっと歓迎されるのかもしれません。いずれにしても、自然災害が頻発する時代に合わせた報道姿勢の変化が必要なのでしょう。

