「車両企画・目標値設定の変更」は、開発の初期にある商品企画の段階での話だ。
これまでの日産のやり方では、商品企画で車両の性能や価格などを決めるときに、「すべてのライバルのすべてに勝る」という方針であったという。走行性能、燃費性能、質感、コストなど、すべてで勝ろうというのだ。
かなり欲張った目標のため、企画成立までに時間がかかったという。しかも、総合的な内容なので、商品のコンセプトもボンヤリしがちだ。
そこで、今回からは「ウリを際立たせる」という目標の立て方に切り替えた。これにより、企画の決定が早くなるだけでなく、“日産車らしさ”もより強くすることができるとする。
デザインは最初から「1つだけ」
続く「デザイン」の段階では、「決定プロセスのシンプル化」が行われた。
これまでは、多くのデザイン案から2~3に絞り込み、その候補で試作などが行われつつ、最終的な量産モデルのデザインを決定していた。それを最初から1つに絞ったというのだ。
もちろん、ただプロセスを短くしただけではなく、事前に「ファミリーデザイン・ルール」という一定の枠を用意。このルールの導入で、最初からデザインの方向性が示され、決定しやすくなったという。
さらに「プロジェクト責任者の明確化」で、意思決定を早めたとする。これは体制の変更だ。
これまでの日産は、過去20年以上にわたって「収益に責任を持つPD(プログラムディレクター)」「魅力に責任を持つCPS(商品企画責任者)」「開発手段に責任を持つCVE(開発責任者)」の3者によってクルマの開発が進んだ。
お金の「PD」、企画の「CPS」、技術の「CVE」の3人の責任者による三権分立体制だ。

