それに対して「1万台が全国に広がっても、決して(世の中に多く存在するようには)見えない。1万台という数字は、BYD世界生産(25年乗用車販売実績460万台)の中ではすごく小さい。また日本市場でも、軽自動車全体(年間130万台規模)の中でも小さい」という前置きをしたうえで、次のように語った。
「1万台に達した時、BYDに対する見方(ブランドや企業に対する評判)だけではなく、日本社会でのEVの存在意義への影響が大きい。だから、我々はあえて一石を投じるのだ」
なお、販売拠点については26年7月末時点で、準備室と呼ぶサブ拠点を含めて全国77拠点、このうち正式店舗は56。今後は、整備施設を持つ比較的規模が小さなサテライト店も強化する。
年間1万台ペースでは、仮に販売が伸びていったとしても日本専用車としてゼロベースで開発したコストを吸収することは難しいはず。
それでも、単一モデルとしての収支にこだわらず、日本におけるBYDブランド確立、さらにEV市場拡大におけるBYDの存在意義がラッコ導入の趣旨であると強調したことが印象的だった。
海外市場での販売はあるのか?
そうなると、ラッコの量産効果を狙って日本以外での販売もありうるのだろうか。
例えば、BYDが販売を強化してEVシェアが拡大しているタイなどの東南アジア、または
欧州委員会が実用化を目指す小型EV規格、「M1E」を活用してのラッコの市場導入だ。
この点について、BYD本社のラッコプロジェクト商品総責任者の楊歩益氏の答えは「ノー」。ただし、ラッコ用で先行開発した電池を中心としたモジュールである「X-PACK」については、日本以外で将来的に活用する可能性については完全に否定しなかった。
次の「なぜ?」は「なぜ200万円を切る価格が実現できたのか?」だ。

