日本における看護婦の先駆者となった大関和と鈴木雅は、桜井女学校附属看護婦養成所に第1期生として入学すると、たちまち仲良くなったようだ。
というのも、和は入学時にすでに子持ちのバツイチで、年齢は28歳。一方の鈴木雅もまた、2人の子持ちでシングルマザー。年齢も和より一つ年上で同世代だった。未婚の若い同級生が多いなかで、2人は共通点が多かった。寮で同室となった2人は、同じ目標に向かって邁進しながら、日々親交を深めていくことになる。
今回のドラマは、大関和をモチーフとした一ノ瀬りん(演:見上愛)と、鈴木雅をモチーフとした大家直美(演:上坂樹里)がダブル主演となっている。
家庭環境が複雑な直美
ドラマ上の2人はともに苦労人だが、直美のほうが家庭環境は複雑だ。幼い頃に横浜の教会前に置き去りにされた捨て子で、「夕凪」と呼ばれた女郎の子だったらしいという以外、自分の出自をほとんど知らずに育った……という設定になっている。
直美は実の母と出会うことができるのか――とドラマでは注目されていたが、7月17日放送の第80話で物語が動き出す。
直美が体調を崩した文(ふみ)の看病をするうち、文が持っていた髪飾りが、自分が母の形見として大切にしてきたお守りとまったく同じ柄であることに気づく。これをきっかけに、文こそが「夕凪」で、直美の実母ではないかという思いを強くする。
結局、文は息を引き取る最期まで「自分が直美の母である」とは一言も口にしなかった。
しかし、その何気ない言葉や仕草の端々から、視聴者にも直美にも、2人が親子であることが静かに伝わっていく。

