AIは、攻撃する側の道具としてもすでに広く浸透している。そうした変化はこれまでの記事でも取り上げてきたが、今回は逆から見たい。私たちがAIを使うことで、会社の中に開いてしまう入り口の話だ。
これから挙げる4つの抜け穴はいずれも、ごく普通の社員が仕事を進めようとする行動から開く。日常の動作に沿って順にたどっていこう。

AIに貼った情報が知らぬ間に漏れていく…
1つ目は、AIに情報を「貼る」瞬間だ。便利だからと、個人アカウントの生成AIに社内資料や顧客リストを貼り付け、質問したり要約させたりする。もちろん悪気はない。だがその瞬間、会社の管理が及ばない場所へ機密が出ていく。
こうした無断利用は「シャドーAI」と呼ばれる。ベライゾンが同じ報告書で業務端末の記録を調べたところ、承認のないままAIを使う社員は半数近くに達し、1年で3倍に増えた。しかも多くは個人アカウント経由で、会社側からは実態が見えにくい。心当たりのある人は少なくないはずだ。
預けた情報は、預け先が破られれば漏れる。26年春に海外の大手会計事務所で起きた漏洩が、まさにそれだった。

