白鳥氏らの研究では、最終的に中退に至る学生の成績低下のパターンは、入学後3〜5週目あたりまでにほぼ固まることがわかった。つまり、入学直後のゴールデンウィーク前後までに、中退リスクがある学生は見えてくるというのだ。
「GW前後」で不登校→8割は欠席が続く
また、不登校になりやすいのも1年次春学期のゴールデンウィーク前の時期で、この時期に不登校になった学生の8割程度は、その後も欠席が続くか、休学・中退に至るという。まさに、学生を大学コミュニティーに呼び戻せるかどうかの分岐点だ。
中退リスクの高い学生に、この限られた期間内に働きかけるには、「授業を欠席した際に次週の授業まで待っているのでは遅い」と白鳥氏は指摘する。カウンセリングやアカデミック・アドバイジング(学修目的や将来の目標決定・達成の継続的な支援)も有効だが、白鳥氏が重視するのが「ナッジ」だ。これは、学生を過度に追い詰めず、大学とのつながりを維持する方向へそっと後押しする日常的な働きかけを指す。

