日菜さんは、大半をオンライン授業で完結させ、通塾時間はほぼなかった。このため、家庭で食事をとるなど、家庭のスケジュールに寄せることができた。
竜也さんが特に良かったと思うのが、直前期の朝の勉強だ。
「入試当日は朝が早いので、秋から少しずつ朝型の生活に切り替えたんです。冬休みからは21時半には寝て、朝5時に起き、登校する8時まで一緒に勉強しました」
コストを抑え、子どもの自由な時間は確保できた一方で、佐々木さん夫妻が調べたり、学習設計したりする時間はかなりかかっている。夫婦の役割分担は妻の恵さんが、丸つけと間違った問題をまとめたノート作り、国語を担当。竜也さんは、勉強の付き添いや、教材や講座を選んだ。
「問題を取捨選択することも大事」
佐々木さん夫妻が、子どもの苦手分野や学習進度を把握しているからこそ、できたこととも言える。こうした学習を設計するコツはあるのか。
「日々の学習リストとスケジュールを、家族で共有したことがよかったです。リビングと娘の部屋に1枚ずつ貼りました。もちろん、うまく進まないこともあって、何度も組み直しました。振り返ると、問題を取捨選択することも大事だと思います」
26年1月と2月、日菜さんは埼玉と東京の6校を受験。埼玉の女子校と第一志望の女子御三家など4校に合格し、納得のいく形で受験を終えた。
だが、佐々木さん一家の学習スタイルは、最初から完成していたわけではない。
原点は中学受験塾のない北海道・道東の町から、東京の私立中受験に挑んだ長女の経験にあった。後編は長女の中受ストーリーを紹介したい。

