それらにまりは1つひとつ答えていたようだったが、3回目のデートを終えたあと「交際終了」を出してきた。終了理由はこうだった。
「人には誰でも過去があります。私は結婚に失敗しましたが、その経験を後悔してはいません。そして娘は、私にとって何より大切な存在です。子育てにはお金がかかります。でも、学費や生活費を心配される様子に、この子の存在が負担だと思われているような気がしました」
さらに、こんな言葉を続けた。
「もし自分の子どもだったら、同じ質問をされたでしょうか。彼は、自分の子どもには惜しみなく愛情を注ぐのではないでしょうか。でも、私の娘には、愛情より先に『いくらかかるのか』という視点があるように感じました」
シングルマザーとの結婚は、男性側がかなり年上であっても成立しやすい。しかし、結婚する相手は女性1人ではない。その子どもを含め、新しい家族として受け入れる覚悟が求められる。そこに迷いや損得勘定が入り込めば、その思いは相手にも伝わってしまう。
おぢアタックの幸せな結末
3人目のやすお(55歳・仮名)は、これまでの2人とは違う結末を迎えている。
やすおが筆者の相談室を訪ねてきたのは、48歳のときだった。初婚で、自営業とアパート経営をしており、経済的には恵まれていた。婚活を始めた理由はただ1つ、「子どもを授かり、温かい家庭を築きたい」という願いだった。
「私と結婚してくださる方がいるなら、日本全国どこへでもお見合いに行きます」
その言葉どおり、北海道から九州まで飛行機や新幹線を乗り継ぎ、全国へ足を運んだ。お見合いが成立すれば迷わず会いに行き、交際になれば何度も通った。2年間で費やした交通費や宿泊費、デート代は相当な金額になったはずだ。
それも「ご縁に出会うための必要経費です」と笑っていた。

