可能な限りの素材をiPhoneから回収することで、天然の鉱山を掘る労力、精製に使われるエネルギーを節約することができる。また、採掘する労働者の健康に悪影響を与える可能性があるレアアースの採掘も減らす、もしくは完全になくすための工夫が続けられている。
これにより、100%リサイクルアルミニウムからMacBook Neoを作ったり、全アップル製品に使用されるバッテリーに使われているコバルトをすべてリサイクル素材で賄うことに成功したりしている。
東洋の概念『輪廻転生』が、デジタルデバイスの未来を開く
2025年にアップルが出荷したすべての製品の再生素材の使用率が、過去最高の30%に到達した。
日本ではまだ「新品じゃないのか」と思う人も多いかもしれないが、アップルの発表会場ではこうしたリサイクル関連の発表には大きな拍手が起こる。もう、地球を新たに傷つけない再生素材の利用を皆が望む時代になっているのだ。
現在アップルは、アルミ、コバルト、銅、ガラス、金、リチウム、紙、プラスチック、レアアース、鉄、タンタル、チタン、スズ、タングステン、亜鉛を優先してリサイクルを行っている。これは製品重量の85%を占める。
タンタルは聞き慣れないが、コンデンサーに使われるレアメタル。銅や金は基板の回路に使われる。リチウムとコバルトはバッテリーの中心素材。とりわけ、コバルトは採掘時の人権問題が指摘されているので、100%再生素材を使っているという意義は大きい。
レアアースは磁石や触媒として使われる17元素の総称で、採掘、精製時の環境負荷や、中国への供給依存が問題になっているので、こちらもリサイクルする意義は大きい。
また、地味ではあるが、ガラスや紙が再生されているのは重要なポイントだ。現在アップルはパッケージには100%再生素材を使っている。
壊れたiPhoneやiPad、使わなくなったMacが手元に残っている人は多いと思う。価格の付くものならTrade In、価格の付かないものならリサイクルに出せば、それらの一部が『資源』となって、新たなアップル製品としてよみがえる。
長らく世話になったiPhoneだが、生まれ変わるのだと思えば、別れも辛くない。
『輪廻転生』といえば、インド・東洋的な概念だが、カリフォルニアのアップルが、iPhoneを輪廻転生させることに懸命に取り組んでいることに、我々はもっと注目するべきだろう。

