2011年にティム・クックがアップルの経営を引き継いだとき、シリコンバレーからウォール街に至るまで、多くの業界リーダーたちは同社の最盛期は過ぎ去ったと予想した。革新的なCEOスティーブ・ジョブズを失ったことで、アップルは衰退するという懸念が広がっていたのだ。
だが、その見立ては誤っていた。
それからの15年でクックは、シリコンバレーの寵児だったアップルを、現金を大量に生み出す巨大企業に成長させ、時価総額を当時の3500億ドル(約55兆円)から4兆ドル(約620兆円)規模に引き上げた。年間売上高は4倍に増え、利益も4倍になった。iPhone(アイフォン)は世界中に広まり、Apple Watch(アップルウォッチ)も普及し、アップルはクレジットカードやテレビ(動画配信)にも事業を広げた。
そうしたアップルの成長は、クックがiPhoneを史上最も売れた製品の1つに変えたことの証しといえる。ジョブズが07年に発表したiPhoneはスマートフォン革命の端緒となり、人々の働き方や交流、移動のあり方を変えた。だが、ジョブズが亡くなり、クックが後を継いだ当時は、iPhoneの年間販売台数は7200万台にすぎなかった。
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