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ライフ #不安な時代、不機嫌な人々

「無能の仕事ぶり」「恥ずかしすぎる」と批判殺到…高市首相の「寝てない自慢」は情けないし、国民の失望を招くのも当然だ

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高市早苗首相
裏目に出た⁉ 寝てないアピールが招いた大反発(写真:Kiyoshi Ota/Bloomberg)
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だが、近年のポピュリズムは、社会経済状況の悪化による影響などを受けて、有能なリーダーシップとスピーディな意思決定を求める「技術的・実務的な解決を唱えるテクノ志向」が強まった「テクノ・ポピュリズム」へと移行した。その結果、政治家という存在は、「具体的なソリューションを提供する経営者・エンジニア的存在」として評価されやすくなった。

「人間臭さを見せる」演出は綱渡りのようなバランスの上で成り立つ

そこにおいて、演出上重要になるのは、「あえて自分の弱さや人間臭さを見せる」「告白の真正性」を訴えるスタイルである。モフィットは、ポピュリストが「真正性」を演出するに当たって、荒っぽい言葉遣い、下品なジョークといった礼儀正しい政治言語を拒否することや、「自分はあなたと同じ普通の人間だ」というメッセージの身体的表現などを例示している。

つまり、高市氏は、「国家の最高責任者も、休日には溜まった洗濯物に追われ、ボタン付けをしている」という私生活の泥臭さを前面に押し出すことによって、庶民層(特に家事に追われる人々)との感覚の共有を狙ったものと考えられる。ただし、モフィットがこの「真正性」の効果について、「綱渡り」と呼んでいるように、非常に危ういバランスの上に成り立っていることに無頓着であった。

モフィットの理論において「真正性」が熱狂を生むのは、それが「既存のエリートや既得権益に対する挑戦」と映っている時だけなのである。これを「反逆の真正性」という。とりわけ総裁選から首相就任後しばらくは、「メディアや批判勢力の圧力、永田町の『空気』に屈せず、自分の信念を貫く姿勢」を背景に大成功を収めた。

その場合、メディアや野党などに対して「何が悪いのか」と開き直る態度は、支持層には「敵に屈しない本物のリーダー」と見え、良い意味で人間味を感じさせることができた。そのような国民のための政治的な闘争という舞台装置がない中での「インナーがないからアイロンをかける」という告白は、単なる「苦労話の垂れ流し」に過ぎなくなってしまう。これが結果的に「親近感」ではなく「不快感」をもたらしたのだ。

モフィットの理論におけるもう一つの柱は、「危機のパフォーマンス」である。ポピュリズムの手法を用いる政治家は、社会に存在する不安や不満を「今すぐ解決すべき緊急事態(危機)」として際立たせ、それを力強く打破する存在として振る舞おうとするところがポイントになる。

しかし現在、国民が直面しているのは、実質賃金の低下、物価高、不透明な安全保障といった「マクロで構造的な危機」であるにもかかわらず、高市氏が投稿で描写してしまったのは「会期末までのインナーとハンカチが足りなくなる」という「個人的で極めてミクロな危機」であった。 

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