石狩沼田―深川間の存続については、年3億円の費用負担があれば存続ができたという話も聞いた。
こうしたローカル線を存続させるためには都道府県が果たす役割が重要である。輸送密度がわずか49人であるにもかかわらず上下分離により存続を果たした福島県の只見線の事例については、2022年10月1日付記事(JR只見線「11年ぶり」復活、地元住民たちの執念 利用者少なくても観光による「経済効果」大きい)で詳しく触れているが、福島県は沿線自治体の財政規模に配慮して、只見線の維持については負担が可能な金額しか求めてはいない。
次の焦点は「黄線区」
JR北海道の鉄道路線の存廃問題については、輸送密度が200人以上2000人未満でJR北海道が「単独維持が困難」とする赤字8区間である「黄線区」に焦点が当たる。
JR北海道は、黄線区の維持に関して上下分離を求めているが、これに対して北海道の鈴木直道知事は、「上下分離ありきの議論はしない。JR北海道の経営自立については、JRグループ全体での収益確保を図るべき」と発言しているが、JRグループ会社がそれぞれ独立した会社であり、収益を補完し合う関係にはないという初歩的なことも理解していないようだ。
JR北海道の経営問題の本質は、経営安定基金の運用益により年間500億円に及ぶ赤字の穴埋めをするという経営スキームが、1990年代に行われた国の低金利政策により破綻したことが本質的な原因である。問題の本質が理解できていない鈴木氏が知事を続ける限り、今後、黄線区の消滅も免れないと言っても過言ではない。

