有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #鉄道最前線

全線廃止「JR留萌本線」最終列車で起きた出来事 「石狩沼田―深川間」に定員大幅超過の660人が乗車

8分で読める
深川ー石狩沼田間は2026年3月に廃止され、留萌本線は全区間が消滅した(写真:STUDIO EST /PIXTA)
  • 櫛田 泉 経済ジャーナリスト
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

東京都北区から訪れていた50代自営業の男性は、北海道での鉄道網の縮小を嘆いていた。

「今回は廃止の距離が短いうえに最終日が平日だったことから行くのをやめようかと思ったが、直前にいてもたってもいられなくなり飛行機に飛び乗って北海道にやってきました。北海道では鉄道網がどんどん縮小されていることから、行ける場所が少なくなってきていることに不便を感じています。寝台特急北斗星があった時代には、鉄道で北海道に来ることが多かったですが、北海道新幹線は料金が高いうえに所要時間や駅の場所も中途半端なので、新幹線開業により寝台列車が消えてからは飛行機で北海道に来ることが増えました」

石狩沼田駅ラストラン実行委員の村上欣喜さんは、最後のイベントについては相当な熱意をもって取り組むことができたという。

「鉄道に対して熱意があっても個人の取り組みでは限界があります。その点、今回は行政のバックアップがあったからこそ動きやすかった面があります。ラストランイベントという点では、今後の継続性がない点は残念ですが、町役場や町民も含めていいものを作ろうという思いを共有して取り組めたのはよかったと思っています」

運転手の確保には苦労した

翌4月1日からは、旧石狩沼田駅前となる沼田観光情報プラザバス停から深川駅前に向かう代行バスの運行が始まった。それまで石狩沼田と深川の間には、既存のバス路線である空知中央バス沼田線が平日5往復、土休日3往復を運行していたが、このバスに加えて朝夕の時間帯に道北バスが運行するきたそライナーを平日4往復、土休日に3.5往復を新設することで運行本数を確保したようである。しかし、空知中央バスは2026年10月に沼田線から撤退する見通しで、10月以降は自家用有償旅客運送に転換されることになる。

こうした状況の中で、沼田町の横山茂町長の思いは複雑だ。

「バスドライバーが不足している中で、留萌本線廃止後の代替交通を担っていただくバス事業者の確保にはかなりの時間を要しました。

JR北海道からは鉄道の存続のためには、多額の沿線自治体への費用負担を求められましたが、この費用は町単独では負担し続けることが不可能な金額であり、道や国の支援がなければ鉄路を残すことが難しいことを痛感しました」

【写真を見る】全線廃止「JR留萌本線」最終列車で起きた出来事 「石狩沼田―深川間」に定員大幅超過の660人が乗車(3枚)
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数