むしろ、「最近何かハマっていることある?」「休みの日は何してるの?」といった雑談めいた話から入ります。すると、人は好きなことになると自然と話しはじめます。
こちらが興味を持って聞き進めていけば、いつの間にか話がどんどん広がっていきます。そして、そういった「好きなことの話」の中にこそ、本当に知りたいことが隠れているのです。
私はよく、「評論家じゃなく刑事になれ」と言います。評論家は、集めた情報をもとに語ります。しかし刑事は違います。現場へ行き、人に会い、自分の目と耳で確かめ、納得するまで追求します。私は情報収集も同じだと思っています。
もちろん、本を読むことも大切ですし、AIも便利です。インターネットも活用すればいいと思います。しかし、そこにあるのは、ツールの使い方によって多少の差は出るかもしれませんが、基本的に誰にでも集められる情報ですし、そこから得られるものは似たようなものになりがちです。つまり、希少価値は低いものです。
さらに言えば、そうやって得られる情報は整理されていて、悩んでいる問いに対しての答えのようなものが書かれていることも少なくありません。その手の情報だけを集めていると、知りたい分野について頭では理解した気になってしまいます。
ところが、人は情報だけでは動きません。人を動かしているのは感情です。商品を買うのも感情です。お店を好きになるのも感情です。誰かを応援するのも感情です。
先にPCや本などからの情報だけを集め、感情を知らずにすべてを知った気になってしまうのは、とても危険なことではないでしょうか。私は、何かについて知りたいと思ったら、まずその分野に関わる人にできるだけ会うようにしています。
人を見たら「先生」と思え
人から得る情報に重きをおく。これは、新しいことをはじめる時以外でも常に大切にしていることです。私は若い頃から、「人を見たら先生と思え」という言葉を大切にしてきました。
先生というと、有名な経営者や専門家を思い浮かべるかもしれません。しかし私はそうは思いません。お客さんも取引先も、社員も先生です。街ですれ違う人も先生です。なぜなら、誰もが自分とは違う人生を生き、自分とは違う価値観や感情を持っているからです。自分が知らないことを知っているからです。

