こうした「リタイア・シフト」の世界は夢物語ではない。むしろ大企業の変化は遅く、中小企業が先行している。
データを見れば、すでに3割以上の企業が65歳定年だ。65歳定年企業の増加は著しく、5年後には65歳定年企業が4割を超え、5割をうかがう割合となってもおかしくない。
今あなたの会社がそうでなかったとしても、悲観することはない。
あなたが50歳代の読者であれば、数年後にいきなり「65歳定年」「70歳継続雇用」となる可能性が大いにある。
あなたが40歳代あるいはそれより若いなら、65歳定年・70歳継続雇用への移行は確実で、おそらく70歳が一般的な定年年齢となるのではないだろうか。
3つの年齢ステージごとに働き方を考える
「リタイア・シフト」の時代にまず必要なのは、私たちのマインドセットのアップデートだ。
「70歳現役社会は机上の空論で、まだ遠いこと」と思ってはならない。そう考えると、自分自身の引退戦略を肯定的にイメージできなくなるからだ。
また、「リタイア・シフト」によって働き手が何かを強制されるわけではないことを理解したい。
70歳まで働くことを国や会社に強制されるものではないし、頭を下げて「70歳まで働かせてもらう」のでもない。
むしろ「働いてあげる」くらいの意識でいい。特に65歳以降はそれくらいの強気でちょうどいい。それが「リタイア・シフト」時代を生きるマインドセットだ。
その上で、あなた自身が、自分の働き方をどうしたいのか、自問自答していただきたい。いつまで、どのように働くことにしようか。
「60~65歳」「65歳以降」「70歳以降」とステージを3つに分けて考えるといいだろう。
まずは65歳になるまで働くのかどうかの意思を確認する。基本的に年金の標準的な受け取り開始年齢までは働いたほうがよいだろう。現実としてほとんどの人がそうしている。
「まだまだバリバリ仕事をしたい」
「全力投球はさすがに控えて、ほどほどに働きたい」
「孤独なリタイア生活に入るくらいなら65歳までは働きたい」
いろんなイメージがあるだろうが、自分のイメージを持つことがまず大事だ。これからの時代は「50歳代と変わらず働きたい」という人にはチャンスが急拡大する。
もちろん、ここでリタイアして趣味や生きがいに没頭したい夢が明確なら早いリタイアとしゃれ込んでもいい。ただし、経済的メドを立てておくことは大前提だ。

