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アップルが箱からプラスチックを消すまでの10年、開封体験を変えなかった執念と日本の技術

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かつてあったプラスチックのフィルム、今はもうない
かつてあったプラスチックのフィルム、今はもうない(写真:筆者撮影)
  • 草刈 和人 テックメディア「ゴリミー」運営
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もっとも、これは一社の突出であると同時に、業界の到達点でもある。サムスンやアマゾン、国内リテール各社の取り組みが積み重なることで、「環境配慮=我慢」という前提そのものが崩れつつある。脱プラを、体験を落とさずに実現できると各社が示せば、消費者の選択基準も変わっていく。

5年で1万5000トン、ペットボトル約5億本分の意味

担当者は最後に、ひとつの数字を示した。直近5年間で、アップルは1万5000トンのプラスチックを削減した。重さで換算すると、ペットボトル約5億本分に相当する。

この取り組みは、アップルの環境目標「Apple 2030」の一部でもある。同社は事業全体と全製品で30年までのカーボンニュートラルを掲げ、25年に出荷した全製品での再生素材使用率は過去最高の30%に達したと発表している。梱包の脱プラは、その大きな絵の一角を占める施策だ。

「これだけ美しいプラスチックも、誰も使わないなら意味がない」。担当者のこの言葉が、取材の核心を突いていた。ただ剥がして捨てるだけのフィルムは、リサイクルもされない、意味のない廃棄物だった。重要なのは、プラスチックを減らすこと自体ではなく、ユーザー体験を守りながら環境負荷を下げる――その両立にある。何気ない箱や袋にこそ、企業の思想と一貫性は宿る。それが、この取材で得た最大の学びだった。

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