幹事長人事では、鈴木俊一氏の続投について「高市首相は後ろ向きで、鈴木氏も続投は念頭にない」(自民党幹部)との見方が多い。ただ、現在も“キングメーカー”を自認し、党運営を仕切る麻生太郎副総裁は「自ら総理・総裁に担ぎ上げた高市氏が義弟の鈴木氏を切れば、高市支持から反高市に回る」(麻生氏周辺)とみられている。
そもそも、麻生氏が高市政権誕生の立役者であることは周知の事実。しかし、高市首相が「鈴木幹事長で麻生氏の恩に報いた一方、今後も麻生氏に党運営の主導権をゆだねることには不満を持っている」(側近)のは否定できない。
しかも、麻生氏は元財務相として財政規律派の筆頭格で、「高市首相が掲げる、積極投資で強い日本経済を目指す『サナエノミクス』には批判的」(財務省幹部)とされる。
加えて麻生氏は、高市首相が政権維持のカギとしている維新の代わりに、国民民主党との連立を画策しているとみられている。「現状を見る限り、高市首相が麻生氏の軍門に下れば、次期総裁選に向けて水面下での“高市降ろし”が現実味を帯びる」(自民党長老)ことも想定されている。
幹事長候補に浮上する安倍元首相の右腕
そこで注目されるのが、高市首相が考えている幹事長候補だ。多くの高市首相周辺が名前を挙げるのが萩生田光一幹事長代行である。
萩生田氏は故安倍晋三元首相の右腕として要職を歴任してきたが、野党だけでなく国民からも猛批判を浴びた旧安倍派の「裏金事件」の中心人物だったことから、「公職」から遠ざかっていた。
しかし、高市政権発足後は「事実上の幹事長として高市政権を支え、衆院選における自民党の歴史的大勝にも大きく貢献したことで、高市首相の懐刀となっている」(自民党長老)。
ただ、「萩生田幹事長」が実現した場合、「裏金事件だけでなく『統一教会問題』も再燃し、萩生田氏の対応次第で政権批判の拡大要因にもなりかねない。高市首相にとって危険な賭けになる」(政治ジャーナリスト)といった指摘も多い。

