「維新議員の入閣」も人事の焦点の1つだ。高市首相サイドからは「公明党の政権離脱に伴う危機を救った維新への恩義は忘れていない。今国会で副首都構想関連法案を成立させられれば、その後の人事で藤田文武共同代表を国土交通相にして副首都構想に弾みをつけようと考えている」(自民党幹部)との声が漏れてくる。
ただ、「肝心の維新内部では馬場伸幸元代表が入閣に強い意欲を示すなど、党内意見が割れていることがネックとなっている」(維新関係者)だけに、高市首相も判断に迷っているとみられる。
総裁選のライバルたちをどう処遇するのか
そして、今後の自民党内の権力闘争を左右すると考えられているのが、高市首相と総裁選で争った総裁候補らの処遇だ。中でも、総裁選で本命視されながら高市首相に決選投票で敗れた、小泉防衛相の処遇が注目されている。
最大のライバルを防衛相という要職に起用した高市首相に対して、「小泉氏もことあるごとに寄り添う姿勢を示してきた」(自民党幹部)ことは間違いなく、「いわゆる『中傷動画疑惑』にも一切言及しない小泉氏の態度を、高市首相は高く評価している」(官邸筋)とされる。自民党内でも「防衛相の続投が既定路線」(自民党長老)との見方が支配的だ。
その一方、林総務相については自民党内でも「要職から外される」(同)との見方が多い。前回の総裁選で3位だった林氏は、すでに来年の総裁選での当選を目指して旧岸田派をまとめるとともに、旧二階派のリーダーとなった武田良太元総務相にも急接近している。
また、次の総裁選出馬に意欲を示す茂木外相も「高市首相にとって目障りな存在」(官邸筋)とされる。ただ、「麻生氏との親密な関係に加えて、高市首相も茂木氏の能力や手腕は評価しており、続投は確実」(自民党幹部)とみられている。
このように、高市首相が「自前の体制」を作るにはさまざまな壁がある。しかも、強引な人事だと党内の批判が拡大する一方、麻生氏らに大幅に妥協した人事では、求心力の低下は避けられない。
多くの政界関係者は「改造人事をやるなら旧盆(8月中旬)前で、早ければ国会閉幕直後の7月末から8月初旬」と予想する。いずれにしても、高市首相にとって近い将来の人事断行とその結果は、その後の政権の浮沈のカギとなることは間違いなさそうだ。

