一番赤字が大きかった22年8月期のP/Lの構成は下図となります。

出前館は、消費者と飲食店をつなぐテック系のプラットフォーム企業です。それなのにもかかわらず、なぜ原価率が104%と高いのでしょうか。
その理由は、デリバリーにかかる配達員への支払いが原価に計上されているためです。
出前館のユーザーがアプリ経由で、たとえばカレーを注文したとします。オーダーを受けたカレー屋さんはカレーを準備します。そこに出前館から委託された配達員がカレーを受け取って、注文者へとカレーを運びます。これが出前館の一連のサービスの流れです。
この流れを収益の観点から見てみましょう。仮にカレーが1000円だとします。飲食店は、配達手数料として35%を出前館に支払います。この例だと支払額は350円です。この350円が出前館の売り上げになります。出前館はここから配達員への支払いをします。
22年8月期においては原価率が104%とすると、配達にかかった費用は350円×104%となり、364円がかかった計算になります。この粗利の時点で出前館は赤字です。そこからさらに広告宣伝費を売上高の39%もかけています。
結果的に出前館は22年8月期において、売上高473億円と前年比63%もの成長をしています。反面、利益ベースで見ると、▲364億円もの営業損失を計上しています。コロナ禍にフードデリバリーサービスが台頭し、競合のUber Eatsとの競争もあったことから、積極的に広告に投資をした結果の赤字とも言えます。
出前館“苦戦”の理由は原価以外にも
では、25年8月期時点ではP/Lはどうなったのでしょうか。メルカリやfreeeのように黒字化が見えているのでしょうか。下図は22年8月期と25年8月期の出前館のP/Lを比較したものです。

25年8月期になり、売上高に占める原価の割合は22年8月期の104%から88%まで減少しました。とはいえ、ビジネスモデルの構造上、わずか12%しか、まだ粗利を得られていません。

