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出前館・矢野社長が目指すフードデリバリーの日常化、「時間価値」を提供して新規客を獲りに行く

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現場をより深く知るため、社長自らが配達員になる(撮影:今井康一)

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コロナ禍で注目されたフードデリバリー(料理宅配)。出前館は米ウーバーイーツと並び双璧だ。2000年に「出前館」サイトをオープン、06年の上場後、17年には自社での料理宅配を始動した。LINE(現LINEヤフー)からは2度の出資を受けている(現出資比率35%)。新規参入が相次いだデリバリー業界も、コロナ禍が去って、消耗戦に突入している。今後どう勝ち残るつもりか。矢野哲社長を直撃した。      

――「お店価格で出前館」を25年9月から始め、今年4月にはお笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏さんを起用したテレビCMをスタートさせました。ここにきて攻めに転じた狙いは。

フードデリバリー市場は今も魅力的と思っている。日本ではコロナ禍でデリバリーを知ってもらう機会が増えたが、われわれは本当にいいものを届ける体制が整っていなかった。今回やっと準備が整い、アクセルを踏めるようになった。だからCMなど広告宣伝費も含めて展開している。

私自身はもともとLINEから来た人間。20年のコロナ禍でデリバリー市場が先に立ち上がった後、その後は外部環境の変化もあり、成長を犠牲にしてでもサービスの質を上げることにした。今回、一定程度の品質ができ上がったので、市場を再び大きくしようと思ったのがこのタイミングだ。

――「お店価格」というネーミングが出てきた経緯は。始めてみて社内の雰囲気は変わりましたか。

顧客に対し、レストランなどで食べるのと同じ味と同じ価格で届けたいという、シンプルなところから出てきている。まだデリバリーを一度も使ったことがないという割合が高いのは、やはり店よりも本体価格が高いところからきている。その大きなバリアーをなくしてしまえば、もっと多くの人に利用してもらえると思う。

社内は本当にワクワクしている。ここ数年は閉じこもっていて、もっといいものを準備している段階だったが、やっと前向きにマーケティングなどに予算を投じて成長しようと宣言した。

われわれはデリバリーを日常化しようと取り組んでいるが、「食べる」という選択肢には、自炊する、外食する、テイクアウトする、デリバリーするという4つがある。投じた予算を使うことは簡単だが、重要なのは、顧客に選ばれ続けるためにわれわれは何をすべきかを考え抜くことだ。

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