東洋経済オンラインとは
ビジネス #トップに直撃

鹿島・桐生社長「次期中計は将来への布石」…創業家一族不在で迎える新時代、3兆円ゼネコンの次の一手

8分で読める 有料会員限定
「特に人手が足りない建設業。魅力を上げて処遇を改善していく」と語る桐生氏 (撮影:尾形文繁)

INDEX

スーパーゼネコン最大手の鹿島は、2025年度決算で業界初の売上高3兆円突破を達成した。建築、土木ともに好採算工事などが牽引し、営業利益は前期比58.5%増の2407億円、純利益は40.9%増の1773億円といずれも過去最高を更新した。好業績の背景には、21年6月から社長を務めた天野裕正氏による「施工や採算管理の徹底」がある。ところが今年1月に天野氏が急逝し、押味至一会長が社長を兼務。翌2月に社長昇格が発表されたのが、当時常務執行役員横浜支店長だった桐生雅文氏だ。

収益柱の建築畑から社長が出るのは3代連続で、桐生氏は「各種の施策を継承し、さらに一段高いレベルへと引き上げる」と意気込む。建設費高騰で事業者の投資意欲の冷え込みなどが懸念される中、良好な受注環境はいつまで続くのか。6月26日付で社長に就任した桐生氏に経営戦略を聞いた。

――国内建設市場の受注環境をどうみていますか?

まず、土木は洋上風力をはじめとした再生可能エネルギーと原子力発電所関連が長期的な成長分野だと捉えている。また、高速道路や上下水道では老朽化が進行しており、インフラ更新などの技術開発と受注拡大を図っていきたい。

建築に関しては生産施設を重点分野と考えている。高市早苗政権の戦略17分野では、AI・半導体、バイオ、創薬への設備投資の拡大を期待している。また、半導体工場やデータセンターに注目しており、特にデータセンターは電力の供給さえできればさらに案件が増えるだろう。高度経済成長期に建てられた工場やビルの建て替えやリニューアル、再開発事業にも注力していきたい。

また、工事費高騰で発注主との金額の折り合いがなかなかつかないことに加え、設備のサブコン(専門工事会社)を中心に施工体制が取れない状況もある。全般的な原因は人手不足だ。ただ、金額さえ折り合いがつけば発注主の投資意欲はまだまだあると考えている。

桐生雅文(きりゅう まさふみ)/1961年生まれ。東京都出身。早稲田大学理工学部建築学科卒業。84年に鹿島建設に入社し建築畑を歩む。2018年東京建築支店建築部長、21年執行役員東京建築支店副支店長、24年常務執行役員横浜支店長、26年4月副社長執行役員。26年6月より社長(撮影:尾形文繁)

高水準の利益が継続

――25年度は国内ゼネコン初の売り上げ3兆円突破を達成し、営業利益が過去最高となった一方で、26年度は減益となる見通しです。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数