親が放っておいたから言うことを聞かなくなったわけではなく、親が暴言を吐いたからストレートな物言いをするわけではありません。どんなに愛情を持って接していても愛情とは関係なく、ADHD脳の子はADHD脳の特性が出る。ただそれだけなのです。
そして、病気としてのADHDは遺伝によるものが約74%というのが、ADHD国際学会の認識です。もしもお子さんがADHDだとわかったら、自分や配偶者がADHDかもしれない、または自分と配偶者の両親からの遺伝かもしれないと考えてみてください。
お子さんが突発的にADHDになったというよりも、親の世代、そのまた親の世代から続く遺伝性のものだと理解するほうが、納得できることが多いはずです。
自分や配偶者がADHDだった、自分はADHDの親に育てられたなど、その背景がわかることで、家族への理解が深まることもよくあります。
ADHDの多くが遺伝によってもたらされるため、そもそも親の責任という次元の話ではないのです。親からの遺伝によって顔や骨格も似てきます。その骨格遺伝によってADHDの症状が出ることがあるのです。
子どもはただ自分らしく生きているだけなのです。まずは親の育て方のせいではないと思ってください。そして、ADHD脳を弱みではなく強みから見ることで「ADHD脳は強みの塊なんだ」と思えたら、そこから子どもにとって幸せな育て方を探っていけばいいのです。
まずは親がADHD脳を理解して、受け止めることから始めましょう。
ADHD脳のカギは「ドーパミン」
ADHD脳と接するうえでカギになるのは、脳内物質である「ドーパミン」です。実は、ADHD脳がさまざまな特性を引き起こすのは、「ドーパミンが下がりやすい」という脳の特性を持っているからなのです。
ドーパミンとは、快楽、意欲、学習、運動の調整に関わる脳内の神経伝達物質で、ADHD脳はこのドーパミンが不足しやすい傾向にあります。そしてドーパミンが不足することで集中力が切れる、やる気がなくなる、動きが鈍くなるといった症状が出やすいのです。

