結果は驚くべきものだった。ナチュラルキラー細胞の数は40%も増加し、1週間後もその数は変わらなかった。
30日後にようやく減少したが、それでも実験前より15%も高い数値だった。
短いあいだ森に滞在しただけで、長期的に免疫が強化されたのだ。
抗がんタンパク質の値も大きく上昇
ナチュラルキラー細胞は、パーフォリン、グラニューライシン、グランザイムという抗がんタンパク質を使ってがんと戦う。この攻撃的なタンパク質は、がん細胞膜に穴をあけて物理的構造を破壊することで、がん細胞がどんどん増殖することを防ぐ。
さらに、森で3日間過ごしたビジネスパーソンたちは、抗がんタンパク質の値も大きく上昇していた。パーフォリンは28%、グランザイムは39%、グラニューライシンにいたっては48%も増加している。
なぜこのようなことが起こったのか?
どんな森に入っても、まずは深く息を吸いこんでほしい。
マツ、カビ、胡椒、柑橘、樹脂、草、菌類、木……、森の香りはフィトンチッドという植物性化学物質によって生み出される。フィトンチッドは木を細菌から守る天然のオイルで、研究室のシャーレの中で人間のナチュラルキラー細胞と混ぜると、数日後には驚いたことに抗がんタンパク質が増加する。
健康な中年男性が就寝中に、ディフューザーでフィトンチッドを部屋に拡散させると、さらに驚いたことに、ナチュラルキラー細胞の数と抗がんタンパク質が増加する。
似たような実験はほかにも行われているが、フィトンチッドがストレス、怒り、混乱をやわらげ、睡眠の質、気分、エネルギーを回復させることが明らかになった。

