転機になったのは、フリー転身後の振る舞いだ。美容への並外れた努力や、婚活・恋愛での失敗談を包み隠さず語る姿を見せ続けたことで、「あざとい」という評価は次第に「誰よりも頑張っている」という評価へと変わっていった。今では女性誌の顔として、幅広い世代の女性から支持される存在になっている。
田中みな実の物語は、「最初は嫌われていたが、努力を見せることで仲間だと認められた」逆転劇である。
“男性ウケ”から一転、静かに女性支持を獲得していった「飯島直子」
そして、今回の主役である飯島直子の出発点は、この2人とも違う。
1988年に芸能界入りした飯島は、レースクイーンや水着キャンペーンガールとして注目を集め、セミヌード写真集も出版した。その後、94年の缶コーヒーCMをきっかけに「癒し系女優」のイメージで人気を獲得していくが、出発点はあくまで“男性ウケ”を軸にしたタレント像だった。
天海のように最初から女性に憧れられていたわけでも、田中のように明確に嫌われていたわけでもない。女性たちにとって飯島は、長らく「関心の外側」、あるいは「男性が好むタイプの女性」という、どこか距離のある存在だった。
その飯島が、2023年にInstagramを開設して以来、一貫して見せてきたのが「隠さない」姿勢だ。白髪があること、化粧をしない日があること、老眼や握力の低下といった加齢の悩みを、飾らずに発信し続けている。世の中が「美魔女」を持てはやす流れとは逆に、あえて若作りをしない路線を貫いているのだ。

