企業にとっては、働き手の不足が深刻になる中、人材育成は重要な経営課題となっている。そこで今回は「従業員1人当たりの年間教育研修時間」をランキング形式で紹介する。前回は「従業員1人当たりの年間教育研修費用」を紹介したが、教育・研修に時間をかけているのはどの会社だろうか。
対象は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2026年版掲載1656社のうち、24年度の従業員1人当たり年間教育研修時間を回答している536社。教育研修時間の定義は各社で異なる。参考に従業員1人当たりの年間教育研修費用も掲載した。なお、『CSR企業総覧(ランキング&集計編)』26年版には、同ランキングの拡大版(上位300社)を掲載している。こちらもご活用いただきたい。
1位のニトリホールディングスは167.8時間
1位はニトリホールディングスの167.8時間(集計対象は同社および国内傘下6社)。23年度に続き連続。教育研修費用も31.0万円と高水準だ。アメリカのチェーンストア企業の視察や、自己研鑽の成果や実績をポイント化してさらなる支援を受けられる教育マイレージ制度を設けている。体系的なプログラムに沿った人材教育に特徴があり、グローバルで通用する人材の教育を視野に入れている。
2位は住友化学の132.4時間(従業員1人当たりの年間教育研修費用は31.1万円。以下同)。「すみか育成と成長宣言」において、教育への投資は、1人当たり年30万円以上を継続すること、働く時間の10%を研修や仕事の勉強に使うことを目指すと宣言している。
4位はトライアルホールディングスの128.0時間(10.3万円)。同社は九州地盤で郊外大型ディスカウント店が主力。新入社員の研修に時間をかけている。同じ小売業からは6位に大手ホームセンターのコメリがランクイン。115.1時間(21.2万円)で、指定する資格取得の費用を会社が負担する制度を設けている。
8位のサントリーホールディングスは109.6時間(39.2万円)。15年に企業内大学「サントリー大学」を開校するほか、選抜型のキャリアチャレンジ制度を実施するなど人材育成に積極的だ。10位はSBIホールディングスの101.0時間(28.1万円)。同社では、新入社員研修制度としてSBI大学院大学のeラーニング研修を導入しているほか、リーダー層向けの企業派遣制度も設けている。
このように、各社とも教育研修にさまざまな工夫をしている。教育研修時間も同費用と同様に、OJTの時間や、海外研修・留学などを含めるかなど基準がまちまちな面がある。ただ、今後も専門的なプログラムを整備し、eラーニングを活用する企業が増えていきそうだ。
なお、今回紹介した内容は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』26年版に掲載しているごく一部だ。「東洋経済CSR・ESGデータ」でもさまざまなデータを提供している。


