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台湾で発生した日本人ジャーナリスト襲撃、背後に浮かぶ中国による「越境弾圧」というやり方は日本人にも無関係ではない

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台湾拠点に「知中・親台」知識人として著名なジャーナリストの矢板明夫氏(写真:フェイスブック「矢板明夫倶楽部」/今周刊)
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こうした状況を受け、行政院(内閣府)の卓栄泰院長(首相)は「越境弾圧」に対応する省庁横断の対策プラットフォームを設置する方針を表明した。台湾政府は、この事件を単なる刑事事件にとどまらず、国家安全保障上の課題として位置付け、再発防止に向けた体制整備を進める姿勢を示している。

台湾社会がこの事件を重大視するのは、単なる個人への暴行事件ではなく、民主化によって築き上げてきた言論の自由への挑戦であると同時に、中国による越境的な影響力行使や心理的圧力が台湾社会へ及ぶ可能性を示唆する事案と受け止めているためである。

矢板氏の襲撃事件は、台湾だけでなく、日本とも深い関わりを持つ安全保障上の重要事案として、日台双方で高い関心を集めている。日本政府の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会も、事件発生後、速やかに対応した。

事件翌日の7月7日までに、台北事務所の片山和之代表は、自身のSNSで「言論に対する暴力は断じて許されるものではない」との趣旨を表明し、事件への深い懸念を示した。

台湾で発生した日本人ジャーナリストへの襲撃事件について、日本側の外交代表が早期に懸念を表明したことは、この事件への高い関心を示すものと受け止められている。

「越境弾圧事件」は日本人にも無関係ではない

今回の事件から、日本人として注目すべき点は3つある。

第1に、大陸委員会は今回の事件を台湾で初めて確認された「越境弾圧事件」と位置付けており、中国に批判的な言論活動を行う人物が、海外においても暴力や威嚇の対象となる可能性があることを示した点である。こうした事例は、日本のジャーナリストや研究者、知識人にとっても無関係ではない。

第2に、矢板氏が率いる「インド太平洋戦略シンクタンク」は、日米台の安全保障専門家を結び付ける政策研究機関として活動している。こうした活動内容から、今回の襲撃対象の選定には政治的な意図があった可能性を指摘する専門家もおり、事件の背景については慎重な捜査が続けられている。

第3に、警察・検察は台湾内に協力者が存在した可能性も視野に入れて捜査を進めている。近年は、中国が海外で反体制派や異論を唱える人物を監視・威圧する、いわゆる「ロングアーム(長腕)管轄」が欧米や日本でも問題視されている。

海外から実行犯を送り込み、現地の協力者を通じて標的を襲撃し、その後、速やかに国外へ離脱させる手法が確認されれば、日本を含む各国にとっても重要な安全保障上の課題となる。

矢板氏への襲撃は、台湾の民主主義への挑戦であると同時に、日本人ジャーナリストを標的とした事件でもある。その背後関係や台湾国内における協力者の有無がどこまで解明されるかは、今後の日台安全保障協力や、日本人の言論活動を取り巻く安全保障環境を考えるうえでも重要な意味を持つだろう。

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