浩之さんは結婚向きの中年独身男性の典型例と言えるかもしれない。相手の女性に求めるものは「明るさ、可愛らしさ、しゃべりやすさ」に加えて、家計をともにして豊かな生活を作っていけそうなこと。単純と言えば単純である。
例えば海外旅行好きな女性とは金銭感覚が合わない、と浩之さん。一方では、結婚してすぐにローンを組んで建売住宅を購入している。何にお金と時間を使いたいかという大まかな方向性が一致する相手を選んでいるのだ。
真剣交際を"相談所を挟んで"迫られる
結婚に向けた具体的な動きは千佐子さんが主導した。お見合いから2カ月後には、結婚相談所を通じて真剣交際(他の人とはお見合いや仮交際をせずに相手に集中する期間)に入ることを迫った。自分が前面に立つのではなく、結婚相談所を挟むところがポイントである。
「仮交際中もデート後には毎回報告をしていました。5月のある日、『どうして今日、真剣交際を申し込まなかったんですか? 千佐子さんは申し込んでほしい気持ちでいっぱいだったんですよ!』と叱られました(笑)」
浩之さんと千佐子さんを含めて、恋愛経験が少ない男女にはマッチングアプリなどよりも結婚相談所が向いていると筆者が思う理由がこれだ。交際期間中の報連相を怠らなければ、まともな結婚相談所であればきっちりフォローしてくれる。告白やプロポーズのタイミングまで教えてくれるのだから、いわゆる「玉砕」の危険性が減る。待たせすぎて機会を逃すこともない。
千佐子さんはとにかく早く浩之さんと結婚したかったようだ。真剣交際も1カ月で終了。浩之さんがプロポーズしてくれるように誘導し、両家の顔合わせも済ませ、7月には婚姻届を提出。9月からは浩之さんが住んでいた賃貸マンションにて同居を始めた。なお、千佐子さんは医療系の専門職であるが、結婚を機に退職し、今は専業主婦をしている。

