「清潔の感覚は私とヨメで違うので(笑)、家の中のことはヨメに一任しています。掃除、洗濯、料理ですね。実家から出たことがなかったヨメは、結婚当初はじゃがいもの皮むきすら私より下手だったのですが、今ではいろんなレシピを見て美味しいゴハンを作ってくれます。会社から帰ったらゴハンを用意して待っていてくれる人がいるのは幸せなことですね」
ここだけ聞くと浩之さんは昭和的家庭観の持ち主のようだが、お金の管理と「家の外」の掃除は浩之さんが担っている。千佐子さんにはクレジットカードの家族カードを渡している他、現金での買い物はレシートをもらうようにお願いしている。浩之さんはそれらをすべてエクセルで管理。千佐子さんを信用していないわけではなく、「2人での生活にかかるお金を把握したい」という気持ちが浩之さんのほうが強いのだ。
「独身時代と比べても食費などは倍にはならないことがわかりました。これならば住宅ローンを返しながらでも生活していけるなと思っています。家の外の掃除というのは庭とベランダ、車ですね。雑草を抜いたり、2台の車を洗ったりするのは私がやっています」
婚活をしていた頃の浩之さんは子どもを希望していた。千佐子さんには不妊治療をするまでの気持ちがなく、49歳になった浩之さんも今では夫婦2人暮らしに納得している。しっかり者の浩之さんに千佐子さんがやや甘えて頼っていることで家庭のバランスが取れているようだ。
「夫婦喧嘩はしません。でも、桃鉄(タカラトミーアーツのボードゲーム『桃太郎電鉄』)で私のほうが調子が良かったりするとヨメは不機嫌になっています(笑)」
「早く帰りたい家」こそ、結婚の本質
このインタビューは愛知県内の和食店でうなぎの蒲焼コースを食べながら行った。浩之さんは「美味しいのでヨメにも教えてあげたい」と料理の写真を撮り、店の外に出てからは「ヨメが気になっているというパン屋が近くにあるので土産を買ってから帰ります」と筆者と別れた。
浩之さんと千佐子さんの晩婚生活には華やかさはない。堅実すぎるほど堅実だ。しかし、そこには穏やかな愛がある。夫婦がお互いの存在を「早く帰りたい家」だと感じることが結婚の本質なのかもしれない。
取材協力:結婚相談所アクア・マースト

