日本人は家族に対しても気を遣い、「干渉すると悪いのでは」と一歩引いてしまう傾向がある。しかし研究チームは、むしろ小さな交流こそが精神的健康を守るカギになると指摘する。
交流といっても、特別な外出や行事を設ける必要はない。「今日こんなことがあった」「少し疲れたね」といった短い会話でも十分だという。お茶を飲む、テレビを一緒に見るなど、同じ空間で過ごすだけでも安心が生まれ、孤立感を和らげる一歩につながる。
孤立しやすい男性たち
家庭内孤立には男女差があることも分かった。同居者がいるのに家庭内孤立をしている人の割合は、65歳以上の高齢世代では男性が7.4%、女性は6.0%。中年期の40〜64歳でも同様で、男性5.8%に対し女性は2.2%でいずれも男性の方が高く、男性の方が家庭内で孤立しやすい構造が明確になった。
現在の高齢者世帯では専業主婦家庭が多かった。地域活動や近隣とのつながりを保ちながら暮らしてきた女性は、家庭外の交流を維持しやすい。一方、男性は仕事中心の生活を送ってきた人が多く、地域との接点が乏しいまま退職を迎えるケースが少なくない。外とのつながりが急に途切れ、家庭内でも会話が減れば、孤立感は強まりやすい。

