ただ、だました側の逃げ得かというと、「必ずしもそうではない」と村松さんは話す。
「訴訟になれば、家族にも知られることになります。認知されれば戸籍にその事実が記載されます。さらに慰謝料や養育費を支払うなら、それを家族に隠し通して支払うことは困難です」
生涯隠し通し、加害者が死んだときに家族が戸籍謄本を見てびっくり、という可能性もゼロではないが、そう簡単ではない。
加害者の妻は、夫に対して慰謝料請求ができるため、男性はそのリスクも負うことになる。一方で被害女性は結婚していることを知らなかったため、被害者に慰謝料は請求できない。
相手の「ウソ」見抜くには
交際にリスクはつきものだが、ウソをどう見抜けばいいのか。
村松さんによると、加害者が本当の住まいを隠す手口が目立つという。「会社の独身寮に住んでいるから女性は入れない」「離婚したけど、そのマンションにまだ住んでいる」、などは典型的な言い訳だ。
独身寮の具体的な場所や、マンションならストレートに住所やマンション名を聞いたほうがいい。結婚するなら、住所を隠す必要はないからだ。
悪質なものでは、友人を呼んで「こいつはバツイチ」などとウソをつかせてだました事例もあるという。
「友人のウソを見抜くことは難しいですが、(加害者の)親がウソに同調するケースはまずないと考えられます。結婚を前提にしているのに何かと理由をつけて親に会わせようとしない場合は、注意した方がいいと思います」(村松さん)
460万円という「高額」の賠償命令をどう捉えるか。解釈はさまざまだろうが、慰謝料の増額は、一定の抑止力になるのではないかと村松さんは指摘した。
(ライター 國府田英之)

