最初は、「今日は疲れているから話さない」だけだったはずが、数日、数週間と続くうちに、違和感が出てきます。久しぶりに誰かと話そうとしたとき、
・どんなテンポで返せばいいかわからない
・うまい切り返しがぱっと出てこない
そんな感覚に襲われるのです。この時点で、多くの人はこう思います。
「なんか自分、会話下手になったな」
「会話してるの、気まずいな」
すると、話す前から何を話したらいいかとか、どういう流れにもっていったらいいかとか悶々と考え、気力を使ってしまい、「やっぱり今日はやめておこう」と、会話そのものからどんどん逃げるようになっていきます。
使っていないと会話ができない
言葉の選び方、間の取り方、相手の反応を見る余裕といった「人との会話力」は、才能というより、使っているかどうかでかなり左右されます。これらをうまく使いこなせなくなったとき、
「自分はコミュニケーションが苦手なんだ」
「もともと向いてないのかもしれない」
と、原因を性格や能力に求めてしまいがちですが、実際には単に使っていなかっただけ、ということがほとんどです。患者さんの中にも、
「人と話すこと自体がイヤになったわけじゃないんです」
「ただ、きっかけがつかめなくて」
「変な空気になって気まずくなるのが怖い」
という声はよく聞かれます。

