一見すると保護者への日常的な連絡ですが、子ども自身にとっても「先生は自分のことをこんなに肯定的に見てくれているんだ」という強烈なメッセージになります。保護者が嬉しそうにその手紙を読んだり、家で褒めてくれたりするプロセスも含めて、子どもの自己肯定感を包み込むように育てる作戦です。
また、関係性がこじれそうだった子の保護者に対して、夏休みの間にあえて「1学期の後半、こんなに頑張っていましたよ」というポジティブな内容の電話1本を入れることも有効です。保護者が「学校からの電話=悪い知らせ」という思い込みを払拭し、担任への信頼を取り戻すことができれば、それは2学期の子どもの安定に直結します。
不適切な行動は「応用行動分析」の視点で環境設計
1学期に特に気がかりだった子へのアプローチには、応用行動分析(ABA)の視点を取り入れてみてください。子どもの不適切な行動には、必ず「本人にとってのメリット(報酬)」が潜んでいます。
例えば、授業中に立ち歩くのは「課題から逃げられる」という回避のメリットや、「先生に追いかけてもらえる」という注目を得るメリットがあるからです。夏休みの間に、その子の行動を「先行条件(A)→行動(B)→結果(C)」というフレームで分析してみてください。

そして、2学期には「不適切な行動で得ていたメリット」を「望ましい行動」によって得られるように環境を再設計するのです。注目を得たい子には、授業前にお手伝いを頼んで意図的な承認を与える。課題を避けたい子には、最初の1問だけ一緒に解いたり、タイマーで時間を区切ったりして負担を下げる。このように「やめさせる」のではなく「別の行動に置き換える」準備を夏休みにしておくことで、2学期の対応に心の余裕が生まれます。

