例えば、教室内の机の配置を緻密に設計するのも1つの手です。具体的には、仮に32人学級なら、まずは左右の通路の幅を75cm程度確保します。すると、前述の「一方通行のルート」の指導がしやすくなるでしょう。
さらに、前後の間隔は「前の子の机の前足から、後ろの子の机の前足まで」の長さが1mになるように配置します。(1m定規が1本手元にあると、左右・前後の幅をスムーズかつ正確に測るのに非常に便利です)。経験上、このくらいのゆとりが適切だと感じています。
この間隔で、子どもたち全員の机をクラス全体で後ろへと下げ、教室後方のスペースを狭くします。あえて「遊び場」や「くつろぎ場」としての余白を物理的に排除するのです。結果として、雨の日に起こりがちなスライディングや寝そべりといったトラブルの火種を、未然に、そして物理的になくすことができます。
「信頼貯金」がない状態で何を言っても響かない
次に大切なのは「子どもとの関係性」の再定義です。学級経営において「何を言うか」以上に重要なのは「誰が言うか」です。子どもとの間に信頼関係の貯金がない状態で、正しいことを言っても心には響きません。この「信頼貯金」を2学期に築き直すための準備として、夏休みの間に「1人ひとりのよさを伝える一筆箋の準備」をすることをお勧めします。
崩壊しかけた学級の子どもたちは、多かれ少なかれ「自分を見てくれない」「理解してもらえない」という心の傷を抱えています。1学期の間、叱られてばかりだった子、目立たなかった子の過去の行動を思い返し、2学期の最初の数日で何を褒めるかをあらかじめ「決め打ち」しておくのです。
私は、一筆箋に、あらかじめ定型文を書き込んでいます。最初に「◯◯さんのお家の方へ いつもお世話になっております。」、最後には「お家でも褒めてあげてください。◯年◯組担任 ◯◯」と書いて準備しておきます。これは保護者へのお手紙という形を取って、子どもたちの頑張りを伝えるものだからです。
そして、子どもの素敵な姿を見つけた瞬間に、その間のスペースへ具体的な内容を書き足して本人に手渡します。例えば、「今日の3時間目の算数では、難しい問題に粘り強く取り組み、正解を導いていました。あきらめずに挑戦する姿勢に感動しました」といった具合です。

