そのため本書は、劇的に変わりつつある自動車業界を広く見渡し、過去から現在、未来までについての疑問を解消できるように構成されている。
経済の問題から未来の話までを網羅しているとなれば、複雑で難しい内容になるのではないかと思われるかもしれない。だが、そうした不安を見越したうえで、「およそ2時間で理解できる」ようにしているというのが本書の魅力。専門的な知識がなくても理解できるように、Q&A形式で平易な説明がなされているのだ。
クルマの保有数量は10年で大きく減少
ここでは、いくつかの基本的な疑問とその答えをピックアップしてみることにしよう。
A はい。スマートフォンにその地位を奪われています。
「次のボーナスが出たら、なにを買いますか?」と問われたとき、昔なら多くの人が「家電やクルマ」と答えただろう。ところが、いまやそれも昔話。もはや、私たちを取り巻く社会は大きく変化してしまったからだ。
たとえば本書では、内閣府の「消費動向調査」内にある“耐久消費財の保有数量が増えたか減ったか”についてのデータが紹介されている。つまり、家電や大型家具などの増減を確認したものだ。
それによれば、2014年から2026年までの13年間で増えたものとして挙げられているのは、食器洗い機、空気清浄機などの生活家電など。しかし、増加が顕著なのはスマートフォンを筆頭とする情報通信機器だ。スマホは13年で2.3倍、タブレット端末は2.4倍となっている。
一方、減ったものとしてはデジタルカメラ、カラーテレビ、光ディスクプレーヤー(もはや懐かしくもある)などがあり、クルマもそのひとつ。この10年で7%減となっている。
上記の図は、世界92カ国で1年間に売れた新車販売台数に関する長期データだ。

