そもそも1月23日に衆院が解散されたため、第220回通常国会はわずか1日で閉会された。第221回特別国会は2月18日に開会したが、年度内成立を望む高市首相によって26年度当初予算案は分科会開催を省略され、野党の反対を押し切って週末である3月13日夜に開かれた衆院本会議で可決。参院に送られた。
26年度当初予算は参議院で土日も審議すれば年度内成立も不可能ではなかったが、衆院での審議打ち切りによる「荷崩れ」に野党が反発し、実現しなかった。そして26年度当初予算は4月7日に参院で可決され成立したが、高市首相は石井氏らの動きに大いに不満だったという。
3月23日に石井氏らが状況報告のために官邸を訪れた際には、高市首相は公邸にいて姿を見せず、木原稔官房長官が代わって対応した。
加えて4月15日に石井氏が「自民党参議院クラブ」の結成を発表したことも、高市首相の警戒心に火をつけたようだ。同クラブの参加者は40人を超え、101人の自民党参院議員の4割以上を占めた。
「自民党参議院クラブは派閥ではない」と石井氏は語るが、党内では麻生派に次ぐ勢力になったわけだ。この頃から「高市首相は参院自民党の人事権を党本部に移したがっている」「高市首相は『参議院なんかいらない』と言っている」と言われ始めた。
姿を消した参院幹事長にささやかれる2つの理由
人事権と独自の金庫を持つ参院自民党は、ある意味で党本部にとってサンクチュアリ(聖域)といった存在だ。故・村上正邦氏や故・青木幹雄氏といった有力政治家は参院から誕生したし、あの小泉純一郎元首相でさえ参院で郵政民営化法案を可決させられなかったという前例がある。
その系統を引く石井氏は、6月23日と24日、26日には姿を見せなかった。一応は「高熱が出たため」とされたが、一部では「別の理由があるのでは」とささやかれた。
1つは、派閥のパーティー券裏金問題で政治資金規正法違反に問われた大野泰正前参院議員に、東京地裁が60万円の罰金判決を下したことだった。もう1つが小渕氏の自民党税調インナー離脱の件で、「小渕氏が1人であれほど思い切ったことをするはずがない」といった臆測が飛び交っている。

