しかし、一社目として受けたブルームバーグの選考で自分と周囲の学生との実力差を痛感し、外資就活は早々に撤退。国内企業、特に銀行に絞って選考を受け始めた。
一般的に、金融業界の就活では芸能活動のガクチカは、あまり好かれない傾向にある。なぜなら、金融業界は顧客からの信頼で成り立っている業界であり、芸能活動をしている人は「情報管理やコンプライアンス意識が甘そう」と思われているからだ。
だが、大学生活を芸能活動に捧げた佐野さんは、ガクチカでも芸能の話しかできない。実際にほとんどの銀行の面接では、ガクチカを話しても「なんで銀行受けてるの?」といった否定的な反応ばかりで、かなりの苦戦を強いられていた。
「どうすればいいんだろう……」
そんな状況で選考を受けていたのが、後に内定を獲得することになる三井住友銀行の選考だった。
親身なリクルーターとの出会いを力に、倍率100倍超えの選考を突破
三井住友銀行の選考では、本面接の前に複数回のPS(プライベートセッション)が組み込まれている。そのため、学生には現役社員がリクルーターに付くのだが、佐野さんに付いてくれたリクルーターは親身になって選考対策を手伝ってくれたという。
「私のリクルーターさんはすごく熱血系の方で、就活の相談に乗ってくださったり、『佐野さんはケース面接が壊滅的だから練習しておいたほうがいいよ』と言ってオンラインで練習に付き合ってくださったり、とにかく親身にサポートしていただきました」
そして、最大の悩みであったガクチカも、リクルーターのアドバイスで劇的に改善したという。
「ミスコン活動と銀行員の仕事の関連性に焦点を当てていました。最終的には、『一億円はどこの銀行から借りても同じ一億円なので、結局はどこの銀行から、もっと言えば誰から借りたいかの勝負になると思います。つまり、金融業では自分が商品となって営業をしなければなりません。これは芸能のお仕事もまったく同様で、常にいかに自分をよく見せるかを意識しています。だからこそ、これまでは自分に向かっていた矢印を会社に向けて、同じ熱量で取り組めば、必ず御社に貢献できると思います』と、ガクチカを伝えていましたね」
このお手本とも言える内容のガクチカは面接官からの反応もよく、順調に選考が進んだ。そして、最終的に佐野さんは内定を獲得。佐野さんの年には法政大学から1000名以上の学生が選考を受け、10名が内定を獲得したという。つまり、佐野さんは倍率100倍超えの選考を通過したというわけだ。

