私たちは、自分の間違いを認めることに強い抵抗を感じます。失敗を隠したり、言い訳で正当化したりして、その場をやり過ごそうとすることもあるでしょう。間違いを認めることは、自分の評価が下がるように思えるからです。
誤りを認める姿勢が大事
しかし、その態度は一時的に自分を守る一方で、周囲からの信頼を確実に損なっていきます。
イギリスの哲学者ポパーは、誤りを認め、修正し続ける姿勢こそが理性的であると考えました。人の知識は常に不完全であり、間違いを含んでいます。だからこそ、誤りに気づいたときにそれを受け入れ、よりよい形へと修正していくことが、前に進むための条件になります。
また、ソクラテスは「自分が知らないということを知る」態度を出発点としました。間違いを認めることは、自分の限界を正確に理解することでもあるのです。
間違いを認めることは、決して弱さではありません。むしろ、自分の状態を冷静に見つめ、次に進もうとする強さのあらわれです。
隠さずに向き合う態度は、相手に対する誠実さとして伝わり、関係を立て直すきっかけになります。完璧であることよりも、誤りにどう向き合うかのほうが、長い目で見て信頼を支えるのです。


