授賞の決め手になったのは、自家製のみそとたまりしょうゆだった。審査員長からは「みそやたまりしょうゆの醸造までやっているスーパーはこれまでなかった」と、高く評価されたという。
受賞後、地元のテレビで紹介されると、駐車場に車が入りきらず、店の前の道路が渋滞するほどの反響があった。みそやたまりしょうゆは短期間で完売。現在も数量制限をかけながら販売している。
手書きチラシでウインナー250袋、ホッケ200枚を販売
こだわりぬいた商品は、妻の夏子さんに依頼して手書きのPOPやチラシで魅力をアピールする。価格だけを訴求するのではなく、おいしさの秘密やおすすめの調理法を丁寧に伝える。
「大型店みたいに何万アイテムも置けないからこそ、商品の魅力をしっかりと伝えようと思っています」(西尾さん)
たとえば、岐阜県養老町のハム工房がつくるウインナー。このウインナーは決して安くない。だが、西尾さんは価格ではなく価値を伝えようと考えた。
製法や作り手の思い、おいしさの理由を新聞の折り込みチラシで紹介したところ、3日間で250袋を販売したという。同じように、高単価のホッケもチラシによる訴求で3日間で200枚売れた。
「安さだけでは、人は動かないと思いました。もちろん、価格も重要なんですけど、それだけではなくて、『おいしそう!食べてみたい!』というお客さんの気持ちをいかに引き出すことができるかなんですよね」(西尾さん)
現在、売り場には、西尾さんが選んだセレクト商品と、大手メーカーの商品がおよそ半々の割合で並ぶ。
地域密着型のスーパーである以上、牛乳や卵、調味料といった日常品は欠かせない。生活インフラでありながら、食の楽しさも提案する。そのバランスを探り続けた結果が、現在の商品比率なのである。現在は総菜をさらに強化し、デパ地下のようなスーパーを目指しているという。

