東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

レアアース確保の陰で膨らむトリウム、日本は「使うだけ」の国でよいのか、日本が避けて通れない国家備蓄論

10分で読める 会員登録で読める
グリーンランド南部ナルサルスアックからタンブリーズ希土類鉱床へ向かう(写真:2025 Bloomberg Finance LP)
  • 亀井 敬史 トリウム熔融塩国際フォーラム理事
2/4 PAGES

アメリカのMPマテリアルズが拠点とするのはマウンテンパス。ここはバストネサイトが主成分だ。オーストラリアのライナスがマレーシアで製錬しているのは、オーストラリアのマウントウェルドで採掘されたモナザイトだが、風化モナザイトだ。

風化モナザイトは、インドなど一般的な砂鉱床から採れる未風化の天然モナザイトに比べれば、トリウム含有率が比較的低い。それでも、米マウンテンパスのバストネサイトと比べると数倍から十倍近く高いトリウム含有率となる。

冒頭に触れたグリーンランドでは、南部のクバネフィヨルドに巨大鉱床が確認されている。ここの鉱物はこれまでみたバストネサイトやモナザイトとは変わっている。グリーンランド南部の鉱床は「イルリサック・インバジョン」と呼ばれる非常に珍しいアルカリ火成岩で、インドなどのモナザイトに比べれば低いものの、高い含有率でトリウムを含んでいる。

インドのモナザイトでレアアースを取ると15%程度の比率でトリウムが発生する。中国バイヤンオボでは2%程度、米マウンテンパスでは0.5%、豪マウントウェルドでは1%強の発生量だ。グリーンランドのクバネフィヨルドは8%。上の図でグリーンランドのレアアース生産量がアメリカやオーストラリアに比べて大きくないにもかかわらず、下の図でグリーンランドのトリウム蓄積量が先行する両国と比べて大きくなるのは、このような鉱物の特性の違いによる。グリーンランド住民が懸念するトリウムによる環境汚染の可能性に対して、日本はどのように答えを出すのか。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数