その延長線で見ると、観客は「マンドーの物語の続き」を期待します。グローグーの可愛さや成長が全面押し出されれば、「キャラクター人気に頼った子供向けコンテンツ」という厳しい評価が出やすくなるのも、無理はありません。
一方、日本の観客が反応したのは、まさにその逆を行く形です。配給元のウォルト・ディズニー・ジャパンは、本作についてシリーズファンだけでなく、これまで「スター・ウォーズ」に触れてこなかった層からも大きな支持を集めていると公式にコメントしています。
つまり、ディズニープラスの加入者を前提にせずとも、マンドーとグローグーの関係性の積み重ねを知らずとも成立するように設計されていたことが、日本ではむしろ功を奏したと言えます。物語の作り自体が西部劇のようにシンプルです。たとえスター・ウォーズ作品を一度も見たことがなくても理解しやすい構造になっているのです。
その結果、グローグーというあざといほどのカワイイも、先入観なく受け取られています。北米の客席で評価を下げた要素が、日本の客席ではそのままハードルを下げる役割を果たしたというわけです。
映画版には、SF映画が似合うシガーニー・ウィーバーがスター・ウォーズ作品に初登場するという話題性もあれば、ジャバ・ザ・ハットの息子ロッタという新キャラクターも用意されています。かつて銀河の裏社会を牛耳ったハット族まで物語に絡ませますが、それでも話題の中心は、結局グローグーに持っていかれているのです。
筆者は断然ドラマ派
筆者はドラマ版を全話観ましたが、スター・ウォーズユニバースをより立体的に楽しめるのは、断然ドラマ版だと思います。すべてが1つの世界として繋がっていることが実感できます。グローグーの成長もマンドーとの関わりだけで生まれていないことを知ると、映画版でのグローグーの活躍は、知り合いの子どもが運動会を立派にやり切っている姿を見ている気分にもなります。
来年は『スター・ウォーズ/新たなる希望』全米公開から50周年、ライアン・ゴズリング主演の新作『スターファイター』も控えています。新規ファンを劇場という入り口からどう取り込むか。今回の日本でのヒットは、1つの答えを示した事例と言えそうです。

