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小学校で英語必修化→学力の格差拡大が深刻…英語嫌いだった夏目漱石に学ぶ、現代の「迷走する早期教育」への処方箋

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教室でアルファベットを学ぶ小学生たちと、夏目漱石
英語力低下に対し、夏目漱石の語った対処法とは?(写真左:Fast&Slow / PIXTA、右:Science Source/アフロ)
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前述の江利川春雄教授は、現在の小学校の英語教育の問題を改善するには「授業時間数の再考、指導内容の精選、児童英語教育専門家の配置」が必要だと述べている。

時代は違えど、両者が導き出した解決策は驚くほど一致している。単に英語の時間を増やすのではなく、教育の質を担保する「専門家(教師)」をいかに育てるか。システムをいじるだけの改革から脱却し、この「人」という原点に立ち返ることこそが、現代の日本の英語教育が進むべき王道なのではないだろうか。

英語よりまず「国語力」が重要?

英語は「反復学習」が必要であるが、小学校で宿題の量が減らされた結果、反復学習の不足が英語力の格差拡大に拍車をかけているとされる。

1975年に刊行された高梨健吉・大村喜吉著『日本の英語教育史』(大修館書店)の中でも「英語と日本語ではまったく言語が異質であるから、毎日少なくとも1時間はやらないと忘れてしまう」と書かれている。

確かに英語を習得するには反復が重要で、英語の授業の時間もある程度は必要であろう。しかし小学校や中学校で覚える単語の量が増やされ、習う内容も高度化し、多くの子どもがあっぷあっぷしている現状を放置していては、問題が悪化するばかりだ。

日本では日常生活において外国語をほとんど必要としない。英語の「早期教育」が叫ばれて久しいが、外国語を必要としない言語環境では、年少期から英語を習っても学習効果は上がりにくい。

それよりも「国語力」を小学生の間からしっかり磨き、中学校から英語を学ぶことが重要なのではないか。中学校では英語の「授業は英語で行うことを基本とする」(学習指導要領)とされているが、江利川教授は「英語で授業をすれば英語の学習効率が上がるという科学的な根拠はない」と指摘している。母語(日本語)の適切な使用が学習効果を高めるとされているのだ。

ルーマニア生まれの作家・思想家のエミール・シオラン(1911〜95)は「人はある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは国語だ」との名言を残しているが、英語教育の前に「国語」の重要性を再認識する必要があろう。数学の問題を解くにも、英語を習得するにも「国語力」が必要であるからだ。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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