巣立ってしまったカラスの雛がどこにいるかは判断しづらいが、巣の真下は間違いなくカラスにとって絶対防衛圏だ。カラスは公園や並木の、葉っぱの茂った、ちょっと高い木に営巣することが多い。樹種はなんでもいいが、ハシブトガラスは常緑樹の方が好きである。適当な木がなければ電柱にも営巣する。
あと、カラスはヘタレなので、イカつい大柄な人はあまり攻撃されない。私(身長173cm、体重67kg)を蹴りに来た時はかなりブチ切れていたのだろう。
カラス研究者の後悔
その後、駅に向かいながら私は考えていた。
「何日か見なかったが、巣立ち雛2羽は無事に育っているな」
「久々に緊迫したやり取りだった!」
そして、最後にコレだ。
「なんであの瞬間、頭を下げちまったんだ?」
私はカラスの研究者で、自分からカラスの巣や雛に近づいている。だが、カラスの動きに注意しているし、何よりガン見しているせいか、威嚇されたことはあっても蹴られたことがない。カラスを知ろうとする者として、一度はカラスの飛び蹴りを経験しておきたいのだ。これは研究者の職業病と言うべきであろう。
いや、お前の性癖だろうって?
その可能性も、否定はしない。

