競馬である。
14日は宝塚記念(阪神競馬場で行われる芝コース、距離2200mのG1)。
近年は、春シーズンは、古馬のクラシックディスタンス(2400m)を主戦場とする一流馬たちは、サウジアラビアやUAEのドバイなどの中東競馬、香港、そして英国など、海外のレースにかかりっきりで、JRA(日本中央競馬会)主催のG1は、スルーされるか、海外遠征のたたき台、あるいは体調などの理由で海外を断念した場合の予備のレースに成り下がってしまっている。
しかし、今年は、中東における戦争もあり、国内にとどまった一流古馬牡馬が多く、今回の宝塚記念も、近年では珍しい豪華メンバーになっている。とりわけ、クロワデュノール(3枠5番)は、名目だけで永久に誕生しないと思われた、JRA競馬における「古馬春三冠レースの制覇」(大阪杯、天皇賞・春、宝塚記念)がかかっている。
もし達成となれば、ボーナスが3億円出るが、昨今、サウジカップ(G1)の賞金は、1着1000万米ドル(約16億円)、総額2000万米ドル(約32億円)であり、3着でも3億円を超える。ボーナス3億円といっても、この額は、海外賞金や3冠を獲る労力に比べて、お小遣い程度という感じで、あまりインセンティブにはならない。しかも、大阪杯(2000m)に加え、宝塚記念も阪神競馬場の内回りコースとあっては、操縦性の高い器用な馬に有利で、実力どおり決まるレースでもなく、超一流馬が目標とするレースではない。
一方、天皇賞・春(京都競馬場)は伝統と格式があるが、距離3200mという、スピード競馬がすべての近年の競馬においては、価値をあまり認められないレースとなっている(この件は、この連載でも触れた)。それなのに、日本競馬史上最強レベルのクロワデュノールが3戦皆勤するのは、奇跡とも言え、日本国内の競馬ファンとしてはうれしい。
だが、クロワデュノールを管理する側のコメントを見ると、天皇賞・春の勝ち方が際どく、昨年のリベンジを果たすために、秋に行われるフランスの凱旋門賞に向かうのは自信がない、といったニュアンスで、「滑り止めのレース」としてこちらが選ばれた印象だ。どうやら、スタミナ不安と状態への自信が足りないということのようで、そうなると、大阪杯、天皇賞・春と、2戦連続、「全財産」を彼の単勝に突っ込んだ私としても、ここでは、本命とするが、単勝に全部、という自信はない。
宝塚記念も「超一流馬が力を出し切って勝つレース」にしてほしい
今年の宝塚記念は豪華メンバーとなったが、私は、やはりJRA競馬が、日本ローカルのG1に成り下がるのを放置してはいけないと思う。11月に行われるジャパンカップ(G1、東京競馬場の芝コース2400m)のように、超一流馬が力を出し切って勝つことを期待できるようなコース設定にすべきだ。そうすれば昨年勝ったカランダガンのような世界の超一流馬がJRA競馬に参戦する機会が増えるだろう。
前出の古馬春3冠レースとして再度整理すると、宝塚記念は阪神競馬場のままなら2400m(外回り)にする(関連で言うと、年末の有馬記念も外回りにする、つまり、中山競馬場の2500mでなく、2200mにすべきだ)。
また、天皇賞・春は、コース設定はこれでいい(距離が長すぎるのでは、という日本の競馬関係者の認識のほうを変える必要がある。長距離を走る「ステイヤー」は血統上も重要だ)。そして、大阪杯は、ドバイなど中東でのレースに鑑みて、廃止する。あるいはマイル(1600m、外回り)戦に衣替えをする。そのうえで、例年6月に行われる東京マイル戦である安田記念に加えて、中京競馬場でマイルG1を新設し、「古馬マイル3冠レース」でも作ったらどうだろう。例年、JRAはサマーマイル戦として4つのG3戦を設定しているが、こちらは3つのG1戦でどうか。
ということで、宝塚記念の馬券は、クロワデュノールの単勝を少しと、馬連で、相手は人気薄のビザンチンドリーム(3枠6番)へ。ダノンデサイル(1枠1番)、レガレイラ(8枠17番)へも少し。
