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日本よりも過酷なイギリスの鉄道「酷暑事情」 まだ「冷房なし」の地下鉄は灼熱地獄、線路ゆがみダイヤ混乱

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ロンドン地下鉄 酷暑 非冷房車両
5月として史上最高の35度を記録したロンドンを走る冷房なしの地下鉄車両(筆者撮影)
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ここで登場したのが、地下鉄の運休区間で運行された代行バスだ。このタイミングを35度の熱波が襲った。

地下鉄の乗客をさばくために多数のバスがあちこちから集められて運行されたが、実はバスも基本的に冷房を設置していない。猛暑を想定して設計していないからだ。例えば2012年のロンドン五輪に合わせて登場した「ニュー・ルートマスター」はデザインこそ先進的なバスだが、窓の開口部は小さく、気温が上がるとエンジンが極端に熱くなるなど、高温の環境を前提とした設計ではない。

ロンドン名物2階建てバスの新型EV車両。見た目は近代的だが開く窓も少ない(筆者撮影)

地下鉄運休でバスに集中した乗客は満員の車内に押し込められ、連休の渋滞で長時間かけて目的地に向かうことになった。外気温が35度を超す中、車内の温度は40度近くまで上がり、座っているだけで熱中症になるような状態だ。外のほうがまだ涼しく、レンタル自転車を使ったほうがまだましとの声も聞かれた。

地下鉄ピカデリー線の代行バスと乗り場に並ぶ人々。このバスも冷房はない(筆者撮影)

予想外の気温上昇に対応追いつかず

これらは単純に「イギリスの交通機関は古い」「更新が遅れている」という問題ではない。前述のとおり、ピカデリー線では34億ポンド(約7280億円)規模の近代化計画が進行中であり、新型車両導入のためにさまざまな更新作業が進んでいる。

冷房のないロンドン地下鉄の車両。写真のような地下深くの小さいトンネルを走る路線の車両には冷房付きが存在しない(筆者撮影)

ロンドンでは長らく、地下鉄やバスに冷房がなくても問題がなかった。しかし気候変動によって、既存のインフラが耐えられないという状況にさしかかっているのだ。問題は単純な老朽化ではなく、予想外に高温化が進む気候に対してどう立ち向かうかの挑戦になりつつある。インフラの更新速度よりも気候の変化のほうが速い現状をどうするかが喫緊の課題だ。

【写真を見る】日本よりも過酷なイギリスの鉄道「酷暑事情」 まだ「冷房なし」の地下鉄は灼熱地獄、線路ゆがみダイヤ混乱(33枚)
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