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日本よりも過酷なイギリスの鉄道「酷暑事情」 まだ「冷房なし」の地下鉄は灼熱地獄、線路ゆがみダイヤ混乱

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ロンドン地下鉄 酷暑 非冷房車両
5月として史上最高の35度を記録したロンドンを走る冷房なしの地下鉄車両(筆者撮影)
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今回、ロンドンとスコットランドの大都市エディンバラを結ぶ東海岸本線では、通常なら時速約200kmで走行する区間に対して約32kmという制限が設定されたところもあった。いわば、新幹線が走るような区間を、自転車程度の速さまで減速して走れ、というような異常な指令と言えよう。

そんな中、ロンドンとスコットランドを結ぶロンドン・ノース・イースタン鉄道(LNER)は、猛暑下の長距離列車の運行に際し、エアコンの性能が低い旧型車両「インターシティ225」の運用を削減し、日立製のクラス800/801「あずま(Azuma)」中心の運用へ変更。このため列車は減便された。

ロンドン・ノース・イースタン鉄道の「インターシティ225」。エアコン性能が低いため猛暑で運用を減らし、列車が減便された(写真:London North Eastern Railway)
【写真を見る】エアコン性能の低い「インターシティ225」の運用を減らした代わりに中心となった日立製の「あずま」ことクラス800/801

おりしも5月23~25日は3連休の多客時で、速度制限と減便により各地でダイヤは混乱。LNERは列車の立ち往生などの問題を起こすことはなく、なんとか猛暑日を乗り切ったが、ほかの路線でも運休や遅延が相次いだ。

「地下鉄冷房化」工事があだに

そして、多くの乗客にとって耐えがたい苦痛となったのは、皮肉にも「地下鉄の冷房化」工事が生んだ出来事だった。

ロンドンは世界で初めて地下鉄が走った都市で、その分インフラは古い。地下鉄には地上に近い浅い部分を走る路線と、トンネルの小さい地下深くの路線があるが、後者にはいまだに冷房の付いた車両が皆無だ。普段でも車内はモーターなどの熱で生暖かいが、ここに気温上昇の暑さが加わる。「熱気を電車が押し出すのでトンネル内は暑くない」と言われたこともあるが、もはや気温が高いのでそのような効果はない。筆者は耐え難い暑さに、連結面の窓を開けて顔を出していたこともある。

そこで現在、ロンドン地下鉄は後者にあたるピカデリー線で、冷房付き新型車両の導入準備を進めている。

地下深いトンネルを走るロンドン地下鉄の車両。外観は近代的だが冷房はない=2026年5月(写真:Bloomberg)
【写真を見る】暑いのは地下鉄だけでなく一般の鉄道も同様。窓が少ししか開かない車両は風が通り抜けない

冷房付き車両は2026年末から2027年前半の運行開始を念頭に準備を進めており、輸送力も約10%向上する見込みだが、車体が既存の車両より長いため、プラットフォームをはじめとする施設の改装が必要となる。そこで5月下旬の週末、ピカデリー線は運行を部分的に止めて、その工事を昼夜連続で行った。

冷房車両導入に向けた工事のための運休を告知するロンドン地下鉄のポスター(筆者撮影)
【写真を見る】日本よりも過酷なイギリスの鉄道「酷暑事情」 まだ「冷房なし」の地下鉄は灼熱地獄、線路ゆがみダイヤ混乱(33枚)
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