担当者によると、全国放送のドラマや映画の撮影は、アクセスのよさからか圧倒的に首都圏が多い状況だといいます。映画『道頓堀川』(1982年公開)、『ナニワ金融道』(05年、22年)や『プリンセス トヨトミ』(11年)など、「大阪がメインの舞台になる作品」以外は撮影される機会が少ないとのこと。
それだけ大阪の放つ文化イメージのインパクトが大きい、ということでしょう。
「実は『月夜行路』でも、作中に出てきた場所以外に道頓堀などもっと多くの場所が候補地になっていました。ただ制作会社の方々も、大阪の繁華街がこれほどまでににぎわっていることは想定外だったようで、
「東京ではできないこと」を"義理と人情の街"で実現
では、大阪で撮影できる作品は限られるのかといえばそうでもなく、「東京での撮影が難しい」ロケについて多くの相談が来るといいます。
近年でも、大ヒット映画『国宝』(25年)が撮影されたことで知られています。
大阪市内にある昔ながらのキャバレー「グランドサロン十三」や、東大阪市のレトロな集合住宅「安戸文化住宅」、さらに藤井寺市と柏原市の間に架かる「玉手橋(たまてばし)」で撮影が行われました。いずれも東京での撮影は難しい、大阪らしいロケーションです。
大阪は『曽根崎心中』の時代から続く「義理と人情の街」。撮影NGの施設であっても、大阪ならば内容によっては無理を聞いてくれるかも、という制作側の期待感があり、地元側も要望には極力応えようという風土がある、と担当者は話します。
また、大阪独特のネオンの雰囲気など、国内というよりは「アジアの大都市的なにぎわい」が特徴で、海外の大規模作品の撮影も多く行われています。
日本のフィルムコミッション設立のきっかけにもなった往年の名作『ブラック・レイン』(89年)から、『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』(21年)まで、いずれも大阪の街を存分に生かしたシーンが撮影されました。
そんな大阪を舞台とした貴重なドラマ『月夜行路』。現在は「東京編」に移っていますが、これまでの“謎”がどのように回収されるのか、最終回の放送を楽しみにしたいと思います。
